ライトノベル 七姫物語 レビュー

タイトル 七姫物語 第一章〜第二章
著者 高野和
イラスト 尾谷おさむ
出版 電撃
発売日 2003年2月〜2004年1月


執筆者:jade 各巻評価:B→B
これは七つの主要都市が先王の隠し子と呼ばれる姫君を擁立して覇権を競う歴史物語なのですが、その設定の着眼点もさることながら主要キャラがたまらなく面白いですね。

主人公の空澄は七宮の姫の一人…ということになっているのですが実はこの娘は王の娘でもなんでもなく元はただの孤児だったりします。
空澄を姫君に仕立て上げたのはテン・フオウトエル・タウという二人の男。
この二人がなかなかの策士で普段はバカな行動をとるテンをトエが叱りつけるという醜態をところかまわず見せるのですが、その行動の9割は他国への牽制や国防の増強など別の狙いがあり、また空澄の正体は極限られた者しか知らないのですがそれを逆手にとってみすぼらしい格好をさせカラカラという名の姫のお側付き見習いと偽って本来なら入れない都に潜入させたりと思いもよらない手段を次から次へと使っていきます。その敵味方問わず見事に騙す手口はまさに痛快という言葉がぴったりですね。

それからテンとトエの狐と狸の化かし合いのようなやり取りと、その二人を見て何とか真意を探ろうとする空澄の姿は見ていて微笑ましいものがあります♪
1,2巻を比較すると宮同士の合戦が起こる1巻に対し、戦闘シーンに欠ける2巻はやや見劣りしますがそれでも水準以上の出来です。

歴史小説というライトノベルでは異色な分野を扱った作品だけに一読の価値はあります。ただし独特の世界観に引き込まれるか、歴史小説特有のとっつき難さによって苦手意識を持つかは人によると思うのでご注意ください。


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